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第3回
卯月
「端午の節句と和菓子」 笹間 芳彦
2009.4.15ぼたん

第3回は、神田駿河台下にたたずむ老舗和菓子店『御菓子処さゝま』の二代目店主、笹間 芳彦氏をゲストスピーカーに迎え、お店の歴史や和菓子の砂糖による防腐・殺菌力、生菓子の保存方法など、さまざまなお話を伺いました。

笹間氏のお話の後は、会場となった創業明治30年の老舗『ぼたん』名物鳥すき焼きをいただきました。風情ある店内で、昔ながらの炭火と銅鍋でいただく鳥すき焼の味は格別。鍋を囲みながら、互いの自己紹介など行ない、食後に『さゝま』の柏餅で第3回「和人」の会は閉会しました。

〈笹間 芳彦氏のお話〉

──初代から一店舗主義。自分の目が届く範囲で、納得できるお菓子を作っていく。──

おやじ(初代・繁氏)が昭和4年(1929年)パン屋を始めたのが『さゝま』のルーツです。
おやじはアイデアマンでみつまめパン等、オリジナルのパンを発表していたのですが、販路が狭いのと、ご進物には相応しくないからという理由で、昭和9年(1934年)に和菓子一本に絞って営業をするようになりました。
一店舗主義というのは、おやじの代からです。自分の目の届かないのは、責任が持てないから嫌なのです。私もおやじと同じで、自分では作りません。菓子職人ではなく、プロデューサーです。「おいしい」と言っていただける和菓子を提供することが私の使命だと思っています。

──25歳で店を継ぎ、後継者を育成し続ける。──

店では、生菓子、干菓子、最中、ようかんと、好きなものだけに絞って作っています。特に生菓子は季節感を反映するもので、今日お持ちした「かしわもち」も、1年に25日程しか作りません。
私はおやじが41歳の時の子供で、25歳で後を継ぎました。お話したように、店ではおやじの代から『さゝま』の味を守っている職人が菓子作りをしていますから、おやじから私に店主が変わっても、店の味が変わるわけではない。それでも、世間からは「おやじさんが亡くなって、味が変わった」と言われたものです。
今の若い人は3年未満で辞めていく、といわれますが、私たちの店でも同じようなことがいえます。和菓子作りは、朝早くから仕込みをしなければならないので、若い人には住み込みで働いてもらっています。総じて3年位で辞める人間は、意欲が乏しく、言われたことしかしない。和菓子は、その日の気温や湿度によって餡の出来ひとつとっても違うし、季節ごとに異なる菓子を作っているので、決して同じことの繰り返しということはないのですけどね…。 女性で、高校生の頃からうちで働きたいという子がいて、彼女は7年勤めました。本人は出産後も働き続けたいと希望していたのですが、特に小さな頃は母親の存在は不可欠なので、子育てに専念するよう私が説得しました。今でもおそらく、声をかけたらすぐに飛んでくるでしょうね。若い時は、何に向いているかをあれこれ探すより、そのときに与えられたことを全うすることが大切だと私は考えています。

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